開発してきたことが、ロングセラーの秘訣だと考えています。オリジナリティがある点はもちろん、味や食感など、五感で感じるこだわりを追求されているところに驚きました。日本人は口どけや滑らかさなどに敏感なので、五感の感じ方を重視して細部までこだわることが日本の市場に受け入れられている理由だと思います。また、商品開発の段階だけでなく、市場に定着してからも定期的に改良を重ねています。『雪見だいふく』でいうと、おもちを冷凍下でいかに柔らかく、伸びる素材にできるかを数年おきに見直しています。そうだったのですね。常に改良を重ねて完成度を高めていく姿勢が商品を通じてお客さまに伝わっているからこそ、長く愛され続けていると思いました。ロッテのコーポ―レートメッセージ「お口の恋人」も、昔から広く親しまれているフレーズですね。コーポレートメッセージは、創業当時から変わらず発信し続けてきました。商品やお客さまに対して、長年にわたり一貫した思いで向き合っていることの表れです。変化が激しく予測の難しい現代社会において、普遍的な価値を持ち続けるために、大切にされていることは何ですか。矢野中島矢野中島矢野中島矢野中島矢野中島矢野06LOTTE CO., LTD.この度は、株式会社ロッテ代表取締役社長執行役員へのご就任、おめでとうございます。卒業生の活躍を大変うれしく思います。ありがとうございます。広島修道大学を訪れるのは卒業以来。今日の対談を楽しみにしていました。中島社長は1987年に商学部をご卒業されましたが、学生時代はどのようなことに注力しましたか。大学生になって出会いの幅が広がったことで、友人との交流に時間を割いた記憶があります。当時の同級生や先輩後輩とは今でも交友関係が続いていますよ。仕事で広島修道大学の卒業生と会った際には、初対面でも母校の話を通して自然と打ち解けられました。本学で過ごした時間は一生の財産になっているのですね。これからも多くの学生が充実した学生生活を送れるよう、努力を重ねたいと思います。さて、株式会社ロッテ(以下、ロッテ)について伺います。ロッテは、時代を超えて長く愛される商品を数多く世の中に送り出しています。一般的に新商品のうち定番として生き残るのは数%だと言われる中、ロングセラーを生み出す秘訣とは何なのでしょうか。ロッテが創業以来大切にしてきた価値の一つが、「オリジナリティ(独創性)」です。例えば、ガムのベースにはもともと「酢酸ビニル樹脂」を使用していましたが、ロッテは日本ではじめて「天然チクル」を使用し、よりふくよかな嚙み心地を実現しました。また、チョコレートの『ガーナミルク』は、ガーナ産のカカオ豆やスイス流の製法にこだわり、今までにない口どけの滑らかさをめざしました。このように、原料や製法にこだわり、これまで世の中になかった商品をHiroshima Shudo University
元のページ ../index.html#6