ロッテは、2023年に新たなパーパス(企業の存在意義)「独創的なアイデアとこころ動かす体験で人と人をつなぎ、しあわせな未来をつくる。」を策定しました。先ほどお伝えしたオリジナリティや独創性を企業活動の中心に据えると同時に、パーパスを従業員全体に浸透させることが大切だと考えています。幸せな未来をつくるためにどのような価値を生み出すべきなのか、従業員一人ひとりが自分ごと化して落とし込むことをめざしています。本学もロッテの皆さんを見習い、広島という地方都市の大学としての存在意義を常に教職員皆が確認・検証しながら、教育や研究を進めていかなければならないと強く感じます。本学では、初代学長の思いを受け継ぎつつ、本学の構成員が持つべき志として、「開拓者精神」というワードを大切にしています。ロッテは、歯を丈夫で健康に保つ『キシリトールガム』をはじめ、画期的な商品で業界全体に大きなイノベーションを起こしてこられたと思います。中島社長は開拓者精神についてどのようにお考えですか。人々の心に残るものを生み出すためには、先ほど述べたオリジナリティやパーパスを大切にし、今までにない分野に切り込んでいくのが近道であると考えます。その思考や行動が、開拓者精神につながるのではないでしょうか。挑戦の姿勢が大切だということ▲対談後キャンパスを見学 屋上から建設中の新体育館を視察したですね。2040年に開学80周年を迎える本学でも、パーパスとなる将来構想「VISION2040」を策定しました。その中で「開拓者精神:未知(道)を切り拓く挑戦と創造の拠点」というビジョンをつくり、新たな世界を切り拓いていく挑戦と創造をテーマに掲げています。ロッテは2048年に創業100年を迎えられるとのことですが、これからどのような事業を展開されるご予定ですか。サステナビリティ経営を軸にさまざまな事業を展開しようと考えています。商品に使用する原料や包装材をはじめ、多様な観点で持続可能性を意識し、これまで培ってきた知見を社会課題の解決につなげていきます。また、現在特に注目しているのが「エンゲージメント」の向上、つまり弊社を取り巻くステークホルダーの皆さんとの信頼関係の醸成です。その一環として、従業員のご家族を職場見学に招待する「Family Day」を始めました。工場やオフィスなどの職場を見学していただき、ご家族に仕事に対する理解を深めていただくとともに、従業員のやりがいや帰属意識を高めます。既に予想の3倍もの応募があり、驚きました。素晴らしい取り組みですね。家族の愛が職場への愛となり、ひいては幸せな生活、豊かな社会につながる一歩であると感じます。中島矢野中島矢野中島矢野07
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