広報誌「TRUTH」2025年度秋号
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際に何が求められるのか、②単なる支出論や利潤実現目的のための消費論ではなく、消費生活を起点とした「消費生活の学(=消費者 「地歴ウォーク」は、「この本を片手に街に出よう」というコンセプトで編集された、まち歩きガイドブックのシリーズである。「ひろしま化を解説している。空から地表を撮影した空中写真の新旧比較も多数盛り込まれている。この本を持って現地に行き、その地の昔の様子に思いを馳せていただきたい。アウトプットの手法に至るまで、QGISの活用法を、学習をあきらめた人でも確実に操作スキルを習得できるよう構成している。さらに、他の書籍ではあまり取り上げてない地図の融合(Dissolve)時に生じる不具合への対処法や、テーブル結合(Joint)の際の再計算についても、丁寧に解説している。加えられた。の文化を受け継ぎつつ、新しい環境に適応していくための重要な文化的・精神的拠点であったことが明らかになる。 「ミステリーとしての現実」「個人化社会の生きにくさ」「日本社会の国際化」「自己責任から社会問題を構築する」「階層と教育格差」「消去されるセクシュアリティと表象」を課題とした六つの論考から成っている。社会との関係において自己を問い、不断に更新し続けていく自己反省的学問=社会学を学ぶために編まれた本書は、多様な領域に拡大し、変容していく現代社会に生きる〈私たち〉を社会学的に考えるためのテキストである。20 消費経済学は、従来の経済学や企業サイドからの消費者行動論と何が違うのか。この点は柏木執筆の第7章において、①体系化する学)」として理論構築すべき旨を問題提起した。これと併せて、他の章で、近年の消費動向や新たな消費様式についても展開した。地歴ウォーク3」は、山陽新幹線の開業やカープの初優勝など、広島が大きく変わった昭和50年代と現在の写真を比較しながら、その変 本書は、難解な概念の説明を最小限に、QGISのインストール手順から、初学者にもわかりやすい図説による地図の作成方法や各種 人や文脈によってさまざまに用いられる“地域”という言葉をとらえなおし、身近な生活の拠点である地域における人間・社会の営みを社会学の視角から解明する初学者向けのテキスト。2008年に刊行され刷を重ねた『地域の社会学』から、第1部の理論編を踏襲しつつ、地域社会の多様な側面を描くとともに、新たに子育て、若者の生きづらさ、外国人、防災、都市下層、地域交通などの現代的なテーマが 海外で住むとはどのような経験であろうか。特に、排除や差別にさらされやすいマイノリティである移民はどのように暮らしてきたのか。 本書は、北米やアジアにおける日系移民の生活世界を描き出すものである。移民にとって住まいは、単なる生活の場ではなく、出身地刊行物紹介『消費経済学 日本消費経済学会創立50周年記念集 第1巻』[執筆等教員] 柏木 信一(商学部) 関谷喜三郎,宮阪雅幸,安田武彦編著 五絃舎 2025年4月 248ページ 2,750円(税込)『ひろしま地歴ウォーク3 写真でみる昭和50年代』[執筆等教員] 川瀬 正樹(商学部) ひろしま地歴ウォーク編集委員会編著 レタープレス 2025年3月 84ページ 1,200円(税込)『これで使えるQGIS入門 : 地図データの入手から編集・印刷まで 増補改訂版』[執筆等教員] 金 徳謙(商学部) 金徳謙著 ナカニシヤ出版 2025年4月 196ページ 2,970円(税込)『新・地域の社会学』[執筆等教員] 伊藤 泰郎(人文学部) 森岡清志編 有斐閣 2025年3月 290ページ 2,640円(税込)『移民の衣食住Ⅱ 海を渡って住むこと』[執筆等教員] 佐藤 量(人文学部) 河原典史,佐藤量編著 文理閣 2025年3月 264ページ 3,300円(税込)『社会学で考える』[執筆等教員] 中根 光敏(人文学部) 中根光敏,仁井田典子,伊藤泰郎,河口和也著 松籟社 2025年5月 275ページ 2,640円(税込)

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