もとひ繙見開きで解説し、法律も歴史も幅広く学びたい人のために編まれた。本書を21『刑法の「通説」』[執筆等教員] 伊藤 嘉亮(法学部) 仲道祐樹,□口亮介編 日本評論社 2025年3月 264ページ 2,640円(税込)『よくわかる日本法制史』[執筆等教員] 三阪 佳弘(法学部) 岩谷十郎,松園潤一朗,髙田久実編著 ミネルヴァ書房 2025年5月 304ページ 3,080円(税込)『裁判法』[執筆等教員] 門脇 美恵(法学部) 小原将照,斎藤司,門脇美恵著 八千代出版 2025年5月 175ページ 2,200円(税込)『スタンダード法学 改訂版』[執筆等教員] 柳生 一成(法学部) 松嶋隆弘,鬼頭俊泰,松井丈晴編著 荒川卓ほか著 □書房 2024年4月 372ページ 2,750円(税込)『18歳からはじめる国際法』[執筆等教員] 柳生 一成(法学部) 佐藤哲夫,渡辺豊,中西優美子編 法律文化社 2025年5月 112ページ 2,420円(税込) 「通説で教えて欲しい」という学生の声をきっかけに企画を立ち上げ、刑法学における「通説」が確立していく軌跡を調査・分析した一冊である。その中で、「通説」が共同正犯の成立要件として提示する「共同実行の意思と共同実行の事実」定式や「共謀と共謀に基づく実行」定式がどのように形成されてきたのかを考察することで、共同正犯論に取り組む際の「見取り図」を提供しようと試みている。 本書は、日本法の歴史を「古代・中世・近世・近現代」に区分して、各時代の「法」「法律学」「法律家」「裁判」に関わるさまざまな項目をずしも当てはまらないことに気づくだろう。そのことによって、現在の法のあり方を当然のものと考えず、新たな視点で見直していく発想を生み出していってほしい。 本書は法律学を初めて学ぶ学生を念頭に、司法制度の全体像を概観し、刑事訴訟、民事訴訟および行政訴訟の基本的仕組みを把握するための入門書である(紹介者は第4章「行政訴訟」担当)。三名の大学教員が専門分野の訴訟法を簡潔に概説するハンディな一冊である。アクティブラーニングを意識し、また楽しみながら読み進めてもらえるように、随所に法的論点に関するコラム、アンケート、本・映画の紹介コーナーを設けている。 法律の初学者が最初の一冊として選ぶ「スタンダード」な書籍として、オーソドックスな内容・構成となっている。法を適切に用いて問題解決を図るために必要な、法の基礎・一般理論につき概観し、法の勘所である法の解釈方法、適用ルールを押さえた後、「国際社会と法」など、法の領域を5つに分けて平易に解説する。「国際社会と法」に関しては、ロシアによるウクライナ侵攻など、時事問題を理解するための基礎的な知識を提供する。 国際社会のルールはどのようなものであり、どのように守られているかという「国際法」について、ロシアによるウクライナ侵攻など最近の国際状況も踏まえ、基礎を易しく解説する入門書。「捕鯨問題」や「オンラインカジノと日本の刑法」など時事問題に関するコラムや資料および図表を豊富に用い、さらに丁寧な語句解説もなされている。法学や国際法になじみのない読者でも読みやすく、かつ理解しやすい工夫が随所に凝らされている。けば、現在当然と考えられている法の常識が、過去には必
元のページ ../index.html#21