広報誌「TRUTH」2024年度春夏号
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未来探求への法制史学としての     魔女研究法学部 准教授まえ だ ほし北海道大学大学院法学研究科法学政治学専攻博士後期課程修了博士(法学)専門分野基礎法学・法制史主要研究テーマ17世紀ドイツの魔女裁判手続および刑事法理論 私の研究の目的を一言で表すと、「16、17世紀(近世)において、大学で法学を修めた知的エリート(「学識法曹」)たちがどれくらい社会に影響を与えたのか」となります。「法」は私たちの日常生活を陰に日向に規定していますが、法体系全体が大きく変わることもあります。ヨーロッパの歴史においてそれは、15〜17世紀に起こりました。11世紀末以来研究されていた古代ローマ法学が発展し、古く新しい「ローマ法」が15世紀(中世末期)以降、ドイツにも強い影響を及ぼすようになります。法の変更は、それを運用する側にも混乱をもたらしました。新しい法をどう使10前田 星ヨーロッパ近世史と「法」

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