広報誌「TRUTH」2024年度冬号
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*1スタートアップ企業…革新的なアイデアで事業展開し、創業から数年程度で急成長する企業のこと*2GAPファンド…研究成果の事業化に向けて、大学等研究機関の研究室や研究者に戦略的に開発資*3アントレプレナーシップ教育…自ら社会課題を見つけ、課題解決に向かってチャレンジしたり、他広島修道大学は、SDGsを目標とするのではなく、1つの手段としてその先につながっていく私たちの「望ましい未来」へアプローチしていきます。 リカレント教育は「社会人の学び直し」、リスキリングは「新しい職業に就くためのスキルや今の職業で必要とされるスキルを獲得すること」を意味します。本学はリスキリングをリカレント教育の一部と位置づけ、商学部川瀬正樹教授によるGIS(地理情報システム)関係の講座を、社会人を対象とする本学初の「リカレント講座」として開講しました。 GISはコンピュータで地図を作成するツールで、世の中のさまざまな分野で活用されています。2022年度から「地理総合」が高校の必履修科目となり、高校生全員がGISについて学んでいますが、現場ではGISに精通した教員が少ないのが現状です。また、GISを導入している地方自治体でも、職員の頻繁な異動によってGISの技術が継承されないことが課題となっています。すなわち、高校でも地方自治体 本学は、広島大学が主幹機関を務める「Peace & Science Innovation Ecosystem(PSI)」に昨年度より共同機関として参画しています。PSIでは、大学発のスタートアップ企業*1の創出を大きな目的としており、スタートアップ企業創出のためのGAPファンド*2の構築や、学生の起業マインドを養うアントレプレナーシップ教育*3などを実施しています。 本学では、今年度の取り組みの一つとして、本学国際コミュニティ学部木原一郎准教授と人間環境学部西村仁志教授が広島修道大学ひろしま協創中学校・高等学校にて、アントレプレナーシップ教育を進めるための取り組みを行っています。生徒が「まち」と「しぜん」の2チームに分かれ、広島都心部における中高生の拠点の在り方や、江田島の自然環境維持・活性化への提案などを目的に(一社)カミハチキテル今田順氏、(一社)フウド後藤峻氏のアドバイスのもと、ワークショップや実地調査などに取り組みました。17金を提供し、基礎研究と事業化の間のギャップ(GAP)を埋めることを目的とした資金(ファンド)のこと者との協働により解決策を探求したりすることができる知識・能力・態度を身に付ける教育のことでも、GISに関するリスキリングが求められているのです。もちろん、民間企業にお勤めの方にもGISの活用を求められている方はいらっしゃるでしょう。 この講座はGIS初心者を主な対象とし、高校教員の方、自治体職員の方、その他社会人の方で、GISに興味はあるものの独学では難しかった方におすすめの講座として、無料で使えるWebGISやGISソフトを用いて、GISの利用者、理解者を増やすことをめざし開講しました。「初心者のためのGIS入門」では、WebGISを活用するとともにフリーGISソフトを用いて地図を表示しました。「初心者のためのGIS基礎」では、フリーのGISソフトウェアであるQGISを用いた地図作成と、GISならではの解析手法について解説しました。 今後は、本学でのアントレプレナーシップ教育の推進や、教員のファンド事業へのチャレンジを通じて、大学の研究シーズを基に地域の社会課題解決やSDGsの達成にも資する社会的インパクトの高いスタートアップの創出をめざし取り組んでまいります。今年度より始動した、新たな生涯学習への取り組み修道オープンアカデミー・リカレント講座初心者のためのGIS入門・GIS基礎を開講PSI事業として広島修道大学ひろしま協創中学校・高等学校でアントレプレナーシップ教育を実施

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